聞こえる人も聞こえない人も、一緒になって、ステージから手話のアートを届けよう。手話パフォーマンスきいろぐみSince1989

南 瑠霞

「手話は、聞こえる人の心をもうつ、 素晴らしいアートだと思います。」代表 南 瑠霞 (手話通訳士/手話パフォーマー・コーディネーター)

戸田康之

「ろう者と聴者の文化が出会って 生まれた新しいエンターテイメント。それが手話パフォーマンスだ!」ろう者代表 戸田康之 (手話パフォーマー/ろう学校教諭/NHK手話ニュースキャスター)

南瑠霞の手話日記(ブログ)はこちら

SPK30「手話パフォーマンスきいろぐみ30周年」

まだ、全国で、手話パフォーマンスという言葉を、ほとんどの人が知らなかったころから、きいろぐみは手話パフォーマンス活動に取り組んできました。

手話は空中に描き出した1枚の絵! この手話のアートを多くの人に届けよう。自分たちが手話の夢の配達人になろう!! そんなビジョンを描いて、手話パフォーマンスきいろぐみが発足したのは今から30年前1989年のこと。

当時、聴者2人・ろう者1人で始めた活動も、現在ではキャストがおよそ20人。スタッフが10人。うち半数がろう者となっています。

小さなライブハウスで、ほんの20人のお客さんを迎えて始めた手話パフォーマンス活動は、いつしか渋谷ハチ公前の200人に囲まれた路上ライブとなり、やがて子供むけの手話の歌のDVDを発売(ビクターエンタテインメント)、6万枚を売り上げるヒットとなりました。
モーニング娘。や、ケミストリー、しまじろうで人気のこどもちゃれんじヘソカの歌「わたしのすきなもの」、上地雄輔、ももいろクローバーZ佐々木彩夏、Hey!Say!JUMP、AKB48など様々なアーティストの皆さんの歌の手話を指導。
テレビドラマ「オレンジデイズ」「ラブレター」「37歳で医者になった僕」「花嫁の父」「しずかちゃんとパパ」「星降る夜に」、ハリウッド映画「バベル」、アニメ映画「聲の形」などを手話指導・コーディネート。
メンバーは、NHK「手話ニュース」「LIFE!〜人生に捧げるコント」「紅白歌合戦2016」、全国テレ朝系「ドクターX〜外科医・大門未知子」「救急救命士〜牧田さおり9」、フジテレビ系「若者たち2014」、九州朝日放送「福岡恋愛白書13〜キミの世界の向こう側」、映画「シン・ゴジラ」、「総理の夫」、「ケイコ 目を澄ませて」、などに出演。

現在私達は、手話の歌を中心とした手話ライブ・歌とお芝居を盛り込んだ手話ミュージカル・手話による朗読劇・子供ショーなどで全国を回っています。

演目は、すべて手話と音声付き。聞こえる人からも聞こえない人からも、同時に見て聞いて楽しんでいただける工夫を凝らしています。でも、私たちは、福祉やボランティア団体ではありません。手話の映像的な魅力をステージからお伝えするためのアート集団として、手話パフォーマンス活動に取り組んでいるのです。

私たちの活動のとても大事なところ。それは、素晴らしい手話の使い手であるろう者こそがこのメッセージの送り手であること。またその手話こそがアートであること。その活動はろう者と聴者がともにステージに立つことでこそ成りたち、互いが共にいるという姿そのものであること。そして作品は、ろう者と手話の立場から、聞こえる人たちを含む大勢のあなたに「送り届けられるもの」であるということ。
ろう者と手話の誇りを詰め込んで、私たちはその夢の世界をあなたにお送りしています。
私たちの舞台に触れて、あなたが少しでも、楽しんだり感動してくだされば、私たちは幸せです。

手話は、多くの人に夢を与える一つのアート!!そう信じて一歩ずつ重ねてきた活動が30年となりました。
あなたも、ぜひ、私たちの手話ワールドを覗きに来てください。そして一緒に手と体を動かしてください。
今までとは違う新しい世界が、あなたの前に広がることでしょう。

手話パフォーマンスきいろぐみへようこそ!!
一緒に、手話で語り歌いましょう。
本当に、ありがとう。

手話パフォーマンスきいろぐみ メンバー一同

 

「手話パフォーマンスきいろぐみ」とライブハウス「クロコダイル」

手話パフォーマンスきいろぐみが、1989年木造りの小さなライブハウスで手話によるステージ活動をはじめ、その後、渋谷にライブ拠点を移したのは1997年のこと。米米クラブや久保田利伸なども輩出してきた老舗ライブハウス原宿「クロコダイル」で、10人以上のメンバー全てが手話で歌い手話で語り『通訳をはさむことなく』『自分達こそが手話で演じる!!』姿勢を貫いた、全国で初めての本格手話ライブを開催しました。

手話だから、ろう者だからまじめに!! 手話なんだから教育的に!? ろう者や手話をする人は心がきれい? ・・・ そんな世間の見方を塗り替えたくて、お酒もある夜遊びもある!!そんな渋谷のライブハウスに、私達は飛び出しました。
私たちだって恋もする、けんかもする、ズルい奴もいる、お酒も飲む、夜中だって騒ぎたい。聞こえなくたって、手話で話したって、自分達は普通の若者と同じだ!!
それを実現したくて、大都会の渋谷のライブハウスで、私達は歌って踊り続けてきました。クロコダイルは、手話パフォーマンスきいろぐみが「普通」であるための、小さな一歩を支えてくれた大切な場所の一つです。

当時、たった一本のオーディションテープを店長が見てくれて「いいじゃない。うちでライブやってみたら?」そう言ってもらったのがきっかけで、私達は、長い間手話ライブを続けて来ることができました。全国に「手話ライブ」という言葉が広まったのも、このクロコダイルのきいろぐみ手話ライブからでした!!

クロコダイルは、ここまでたくさんのミュージシャンやアーティストを世に送り出してきました。クロコダイルが応援してくれたらメジャーになれる!!そんなジンクスのあるライブハウスです。そんなところで手話のライブができるなんて!!その喜びは、今日この日も続いています。

きいろぐみの30年を支え続けてきてくれた、原宿クロコダイルに心から感謝申し上げます。

手話パフォーマンスきいろぐみ の 名前の由来

黄色い仲間

きいろぐみの「きいろ」は太陽のコロナの色、ひまわりの花びらの色、金メダルの黄金色。

きいろは、エネルギーと輝きをイメージさせてくれる元気色です。手話を通じて、多くの人に輝くエネルギーと元気をお届けするため、私達はこの名前で活動を続けています。